嗜好のごみ箱
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地球船宇宙号
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ゴミ箱というのは不思議だ。
まず、これから捨てようとしているものに対して、頭を悩ませなければならない。
材料、目的、用途、代替、可能性、いろいろと悩みぬいた挙句に捨てるのだ。
しかも、捨てたとたんに忘れることができるが、捨てたということはなぜか覚えている。
それは、捨てなきゃよかったの未練も、きっぱり忘れようの諦観も同時に内包する。
捨てられたものは多くを語る。ごみだったものはたからになり、たからだったものはごみになる。
臭ければ蓋をすればいいし、見たくなければ黒い袋で覆えばいい。捨てる神も拾う神もいるのだから。
酸いも甘いも嚙み分けて、辛いも苦いも味わって、やっとうまみに気づくのが人生の醍醐味だと云わんばかり。
今はごみかもしれないけれど、いつかたからになるかもしれない。
だから僕は喜んで、君たちをここに捨てていこう。
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